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高森明勅
2024.6.4 10:07皇統問題

令和における「皇太子」不在は皇室の方々の護衛体制にも反映

日本会議の機関誌『日本の息吹』(6·7月合併号)
巻頭に掲載された「今月の言葉」に、一般にほ
とんど見落とされている事実が取り上げられていたので、
ここに紹介したい(執筆者は高清水有子氏)。

それは、平成から令和への御代替わりに伴って、
皇室の護衛体制に変化があった事実だ。

皇宮警察本部には直接、皇室の方々の護衛に当たる、護衛部がある。
平成時代には、その護衛部に第1〜3課が置かれていた。
護衛第1課は、天皇をはじめご一家の方々と国賓を担当する。
同第2課は東宮家(皇太子ご一家)を担当。第3課は内廷外の
宮家の方々を担当する、という役割分担だった。
3つの課のうち、2つ迄が内廷の方々(及び国賓)を担当する体制だ。

令和の現在はどうか。
新しく「上皇護衛課」が設けられた。
その上で、第1課は同じく天皇陛下をはじめご一家を担当する。
第2課は内廷外の方々を担当し、その中に“皇嗣”になられた
秋篠宮殿下とそのご家族も含まれる、という役割分担だ。

3課のうち2課が内廷の方々を担当することは変わらない。
しかし、秋篠宮家が内廷外にとどまられている為に、
結果的に平成時代に東宮家を担当していたような、
皇嗣ご一家を担当する独立の部署は無くなっている。

これは迂闊ながら、私も見逃していた。
早速、皇宮警察本部に確認したところ、間違いない事実だと分かった。
これまで、紀子妃殿下と悠仁親王殿下が乗られたワゴン車が
追突事故を起こしたり、悠仁殿下が中学校に通学されていた頃、
刃物を持った不審人物が教室に侵入する事件が
あったりしたことなどを考えると、
いかにも不用心と言う他ないだろう。

令和における「皇太子」不在という重い事実は、
このような面にも暗い影を落としている。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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